11月29日(土)午後6時30分より豊川歯科医療センターにて学術講演会が
行われました。「臨床医が知っておきたい歯内治療のポイント」というテーマで
愛知学院大学歯学部(歯内治療学)講師・今泉一郎先生をお迎えして日頃私たちが
取り組んでいる症例を中心にお話をして頂きました。
ある月曜日、朝イチの患者様から「前に先生に治していただいた歯が浮いちゃって、
咬むと痛いんですけど・・・」と言われ、「マジ?! それって以前、抜髄したとこじゃん。
もしかして再根治??しかも7番だし・・・」と心の中で叫びながら、笑顔でチェアーを
倒された経験がある先生方は多くいらっしゃると思います。
根管が見つからない。開かない。症状が治らない。何度治療してもフィステルが
できる等、悩みのつきない歯内治療は本を読んでも分からない事が多く、グレー
な部分が沢山あるので、多くの先生方が出席され臨床の場で実際に良好な成果をあげられている今泉先生のお話に耳を傾けていました。
まず最初に、歯内治療のコンセプトとして①無菌的アプローチ②根管内の細菌除去
③根管内の緊密な封鎖という忘れがちな基本中の基本をスライドを使って分かり易く、ていねいに指導していただき、次に解剖学的注意点として、上顎大臼歯の近心頬側根には
50%の確率で2根管、つまり第4根管が存在する事や、フィン及びイスムスの好発部位
とアプローチの方法、正放線と偏心デンタル撮影法の重要性など包括的にお話いただき
ました。その他パーフォレーションの対処法、マイクロサージョリーを使った歯根端
切除術、使用されている器具(私は昔ながらの手用Kファイルのみですが・・・)、
貼薬材等、多岐にわたるノウハウを伝授していただき、とても勉強になり明日からの診療に
大いに役立つ講演会でした。
お忙しいところオファーを受けていただいた今泉先生及び企画・運営に携わっていただいた学術委員の鈴木先生、大変お疲れ様でした。次回も楽しみにしています。
投稿者 佐藤知子