2015年6月27日在宅歯科診療講習会

6月27日(土)に豊川市歯科医療センターにて在宅歯科診療委員会による講演会が行われました。今回の講演会は「会員の先生が誰でも、明日から訪問歯科診療を行え、正しく介護保険を算定・請求できる」内容にするようにとの川島会長からの熱いリクエストがあった為、在宅歯科診療委員会では構想の立ち上げ・資料収集・準備に約一年の歳月を費やして完成した熱意のこもった講演会となりました。

演題は二部構成で、前半は「請求しよう!介護保険」(当会会員:柴田寿信先生)、後半は「歯科衛生士の在宅口腔ケア」(当会所属衛生士:榊原裕子さん)にてお話いただきました。

前半部分では、現状の説明から始まりました。当歯科医師会で訪問歯科診療を行っている医院は「41件」ですが、実際に介護保険を算定したことのある歯科医院はなんと「15件」だけとのこと。これらの数は多くの先生方が、訪問診療の必要性は感じ、それぞれの医院のできる範囲で行ってはいる医院は多いが、介護保険算定の難しさ(実際はそうではないようです)などの理由により、経営的な面に目を背け、医療者の良心として訪問診療を行っていることを示しているように感じました。既に介護保険を算定している先生方には当たり前の「施設」と「宅系施設」の違い、必要書類(管理指導計画書・ケアマネージャーへの情報提供書など)の作成、又その後実践編として3名の仮想症例を通して詳しく説明して頂きました。これで明日から実践できそうな気持ちになりましたが、自院の事を考えると現実的に大きな問題があります。

訪問診療時の院内の診療はどうしよう?

昼休みに行う?

衛生士さんの昼休みは?

そもそも自院の衛生士は訪問診療(口腔ケア)なんてできるのか?

そんな、われわれ初心者の考えなんて柴田先生はすでにお見通しでした。経験のあるフリーランスの歯科衛生士さんと個別契約できるシステムを現在構築中とのこと。このシステムが出来上がれば、個人の医院で時間的・マンパワー的にも無理なく、かつ質の高い訪問診療を行えると不安が払拭され、なにより地域の訪問診療を必要としている患者さんに多くの手を差し伸べることができると自信が持てました。

そして講演会後半です。演者の榊原さんから開口一番に出た言葉は、「私たちの仕事は食べられるお口を作ることです、機能向上トレーニングです」そして「最後まで診て(看て)あげることです」。

当たり前のことかもしれませんが、絶対に忘れてはいけないことです。

そして、豊富な症例写真と共に、口腔ケアで改善された歯肉、口腔乾燥に対する対応そして、最後の咽頭の残留音の聴診までお話頂きました。講演を聞くと、自院の衛生士を榊原さんにまず指導してもらう必要があるなと思わせる、充実した内容でした。

講演の最後には、県歯医療保険部部長:安東基善先生からの補足・総括も頂きより一層理解が深まりました。今回の講演は非常に有意義なものではありましたが、

「いい講演だった」で終わってしまうのではなく、それを実践することが、川島会長の本来の意図であることを忘れないようにしたいと思います。

 

山本洋平

2015.06.27.在宅.01 2015.06.27.在宅.02

 

 

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