2016年6月25日災害対策講演会

6月25日(土)常会後、午後7時より歯科医療センターにて『大規模災害時における検視・検案活動』という演題で内田和宏課長補佐(警察本部災害対策課)及び中本太検視官(警察本部捜査第一課)をお迎えして、災害対策講演会が開催されました。

当日は我々歯科医師の他に警察署、消防本部、市役所より大勢の方々が参加され、来たるべきその日のために熱心に講演を聞かれていました。

第1部は内田課長補佐より災害時の初動マニュアルとして、①警備体制の早期確立②災害情報の収集③避難誘導行方不明者情報の収集④行方不明者等の救出救助及び捜査活動⑤緊急交通路の確保を挙げられ、災害時の状況や被害分析を適切に把握して、最善な対応が執れる様にする事の重要性をフローチャートを使ってわかり易く説明して戴きました。実際に災害時、歯科医師会の組織として又は個人として冷静に何をなすべきか判断する事が難しくなると思いますので、教えていただいたマニュアルを活用して、我々にできる適時・適切な対応策を作成し、いつでも迷わず“その時に”動ける様にしていきたい。と川島会長もおっしゃっておられました。

その後、中本検視官より2011年3月11日に発生した東日本大震災時に実際どのように検視が行われたか、多数の貴重な資料を基にご説明していただきました。災害時には検視官が取り扱う遺体の数が大きく増加する事、その中で的確にかつ敏速に検視する為に心掛けているポイントをお話しして戴きました。①検案場所の確保②検視担当官、検視医師、補助者の確保③遺体安置所の確保④遺体の移送手段と移送者の確保⑤遺体防腐処置⑥検案書の発行等まだまだ膨大な仕事量があり、ただただ頭が下がる思いです。

我々の役割としましては、遺体の損傷が激しく身元が特定できない場合は検視官と連携をとり、歯型やレントゲン写真等の歯科的手法により本人確認のお手伝いをする事です。

普段から口の中を見る事に慣れている我々ですが、いざ遺体を目の前にしたら平常心で所見が書けるでしょうか?難しいと思います。しかし、歯は人間の身体の中で最も硬度に優れ、高温にも耐えうる組織です。川島会長は歯科医師会で災害時における救急歯科医療及び検視支援についてしっかり対策を講じ、迅速に対応できる様、全会員で努力していき、市民の皆様への安全安心を充実していきたいと力強く申しておりました。

最後に、お忙しい中、貴重なお時間をいただき、講演を引き受けて下さった内田課長補佐及び中本検視官に心より感謝申し上げます。有難う御座いました。

佐藤知子

2016.06.25.03

2016.06.25.02

2016.06.25.01

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