平成29年11月25日(土)常会後、豊川市歯科医師会館2F講堂にて愛知学院大学歯学部歯周病学講座教授 三谷章雄先生をお招きして学術講演会が開催されました。
最初、講演会のお知らせをFAXで見た時に“教授”と書かれていて、実際にお逢いすると、想像と違いお若いので驚きました。演題は「歯周組織再生医療が変える、これからの歯周治療」で、冒頭に当たり前の様で一番大切なお言葉を頂きました。
“歯周病は本人の気付かないうちに重症化していることが多く、成人の8割以上が歯周病になっていると言われています。また、歯周病は糖尿病・心筋梗塞・肺炎・がんなど様々な病気のリスクを高めると報告されており、歯周病の予防や治療はからだの健康を守るためにも非常に重要であり、日本が直面している超高齢化社会における健康寿命を伸ばす方策においても我々歯科医師が貢献できる役割が重要になってきます”
講演は①なぜ歯周病治療が大事なのか②効率的な歯周治療③歯周外科のポイントの3つのテーマで構成されており、それぞれの要点を分かりやすく丁寧に貴重なスライドを用いて教えて下さいました。私は一般開業医で再生治療を提供できる技術を有していませんので一番頭の中に残ったのは、歯周基本治療においてプラーク・コントロールを如何に上手に患者様に伝えるかという点です。先生がおっしゃった「ブラッシングのテクニックを教えるよりも、歯周病の病因を伝える事の方が10倍大切」を当院の基本コンセプトとして取り入れ、現在実践しています。当院はアメリカ、イギリス、カナダ、スイス、インド、フィリピン、中国、ベトナム等様々な国籍の患者様がいますが、先進国である日本を含めましてアジア圏の患者様のデンタルリテラシーは遅れていると感じます。特にアメリカ人の歯はとてもきれいです。教育なのか社会通念なのか医療制度の違いなのか背景はわかりませんが、彼らの問診票の“How often do you use dental floss?”の欄は100%“daily”と書かれてますが、アジア人は無記入です。先生がTVで指摘されたフロスユーザーと歯周病罹患率には関係性はあると思います。なので、小さい歯科医院で微力ではありますが、三谷教授から教えて頂いた”プラーク・コントロールファースト“”予防ファースト“を患者様に浸透させていける様頑張っていき、すでに進行してしまったぺリオに対しては再生治療専門医の先生にお願いして二本柱で歯周病と闘っていきたいと思います。そして、地域の患者様の1本1本の歯を延命することで健康寿命の延伸に貢献できるよう、豊川市歯科医師会一同日々努力して参ります。多忙にもかかわらず、講演のオファーを引き受けて頂き感謝申し上げます。ありがとうございました。
佐藤知子