2018年11月24日 平成30年度災害対策講演会

2018年11月24日(土)午後6:30より、豊川市歯科医療センターにて、災害対策講演会が開催されました。今年は兵庫医科大学歯科口腔外科学講座、兵庫医科大学救急・災害医学講座/救命救急センターに所属され、災害時には災害歯科保健医療チームの主力メンバーとして活動されている門井謙典先生をお招きして、「大規模災害時における歯科口腔保健医療体制について~受援体制の構築に向けて~」という演題で1時間講演して頂きました。

大規模災害が発生し、避難所での慣れない避難所生活が長引くと、ストレスや乱れた食生活から免疫力が低下し、加えて極端な水不足による口腔清掃の不備や義歯の紛失等により、誤嚥性肺炎のリスクが増加することが指摘されています。歯科保健医療分野の対応として、「口腔外傷者の病院歯科への搬送」、応急処置が行える「救護所の開設」と伴に、誤嚥性肺炎による災害関連死を防ぐために「災害時の口腔ケア」の実施が重要であります。しかし、災害時行動について「普段やっていない事は、非常時でもできない」と言われていることから、普段から「口の中を清潔に保つことで、口腔内だけでなく体全体の健康を保つ事ができる」という事を市民に啓発していかなければいけません。

今後、起こる可能性が指摘されている南海トラフ巨大地震対策として、行政や警察との連携や連絡調整、歯科医師が携わる身元確認、緊急歯科保健医療の確立、支援物資の迅速な提供等を、円滑に実施するためのコーディネーターも大事ですが、最も必要な事は、被災地内のどの歯科医院が診療可能かどうかを、いち早く把握し被災者に情報提供する事です。

被災者の方々はいつもお世話になっている先生に診てもらいたいからです。それには出来るだけ早い段階に、郡市区歯科医師会で集まって対策会議を行う必要があり、外部支援が必要ならば、県歯に応援を要請する事が急務だと指導して頂きました。

最後に、門井先生が現場での活動の中から見えてきた意見として、郡市区歯科医師会エリア内で被災状況に温度差があるかどうか、又会員の自宅は被災エリア内にあるかどうかもキーポイントとなり、大災害時の無秩序状態の中で指揮命令系統を明確化しトップダウンで対応していく事が不可欠だと締められました。

自然災害は、時として、想像を超える力で襲ってきます。日頃から災害対策をしておくことで被害を少なくすることはできます。豊川市歯科医師会員一人一人が災害対策に取り組み、有事の際には迅速に対応できる様、訓練していきたいと思います。本日は遠方よりお越し下さいまして、感謝申し上げます。ありがとうございました。

佐藤知子

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