2018年10月27日学術講演会

H30年10月27日(土)常会後、豊川市歯科医師会館2F講堂にて、愛知学院大学歯学部歯内治療学講座教授 中田和彦先生を講師にお迎えして、『歯内治療のブラッシュアップに役立つ基礎知識』という演題で、学術講演が開催されました。

冒頭に中田教授より、「本日は研究・教育・臨床に従事している我々大学レベルの話ではなく、開業医の先生方の日々の診療に直結する知識とスキルに重点を置いてお話したいと思います。」と私達の意向を忖度した配慮あるお言葉を頂きました。

さて、開業医の一日で根管治療がない日はありません。極端な湾曲根管、治療を繰り返しても治らないフィステル、ステップが出来てしまった等、悩みが尽きないエンドは目も心も疲弊するので、私は苦手です。しかし、苦手な私でも、マイクロスコープやCBCTを持っていなくても、エンドが好きになるかもしれない成功のポイント三箇条を講演会で教えて頂きました。記憶からスッポリなくなってしまう前に、要点を端的にまとめてみたいと思います。

成功のポイントは、勘や経験ではなくエビデンスに基づいたシステマッティックな治療です。もちろん、臨床経験はその一つ一つが貴重で、かけがえのないもので、時には経験も判断の拠り所になることは言うまでもないですが、エビデンスに裏打ちされている事が重要です。①4ミリ以上の隔壁の確保とラバーダム防湿による徹底した無菌的コントロールをすれば予後が飛躍的に向上する。②交互洗浄ではなく、最新の主流はEDTAで根管内壁のスメア層の除去し、次亜塩素酸ナトリウムで根管の清掃・消毒後、超音波洗浄する。③水硬性セメントで緊密化封する。

まだまだ数えきれないくらい細かい注意点はありますが、まずはこの基本を忠実に守りたいと思います。この講演会を機に必要な物は買い足し、不必要な物は断捨離し、今までの治療法を抜本的に見直し、楽な方に逃げてしまう自分と対峙し、トライ&エラーを繰り返しながら、少しずつでも上達できる様に、前向きに頑張りたいです。そして、地域の患者様に私が現時点でできる最善の治療を提供していき、健康寿命の延伸に貢献できる様、日々努力して参りたいと思います。中田教授、ありがとうございました。

 

佐藤知子

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